起業するにはどうしたらいい?

起業するにはどうしたらいい?

サラリーマンを長くやっていると、いつかは独立したいと漠然と考えることがあると思います。いつまでも使われる側ではなく、トップに立って人を動かしたいという気持ちや、自分の好きなことを仕事にしたいですとか、小さくても自分の思い通りに出来るお店を持ちたいと思ったことがある方もいると思います。ですが、実際に起業するとなると何をどこからどんな風に手を付けていいか分かりませんよね。資金面や手続きのことを考えると自分には無理だなと諦めてしまってはいませんか?今や10代の起業家も増えている時代です。きちんと知識をつけて準備をすれば、起業は誰にでも出来ます。そんな起業のノウハウをまとめました。

日本での起業

起業とは文字の通り、新たに事業を手掛けることを言います。日本では起業に資本金規制がないので、形式的には資本金1円でも株式会社を設立することが出来ます。しかし業種によっては個別の法令で「最低資本金」が決まっている場合もありますし、登記にかかる費用などは別途20万円以上かかります。日本では生涯にわたって企業や官公庁に雇用されることを希望する人が多く、アメリカや台湾と比べると起業を目指す若者は少ないのだそうです。資金調達が主に銀行など間接金融が中心となっていること、経験のない個人には資金の調達が難しいこと、大量資本のために借金した場合、経営に失敗すると個人として多額の借金を負う社会環境があること等に原因があると言われています。かつて日本では義務教育の課程で実業教育が行われていた時期もあったのですが、旧文部省がそれを削除してしまったため、実業教育は職業高等学校や実業学科を置く一部の大学でしか受けられなくなり、起業を含めた実業に関する理解を深める機会がほとんどないことも、若者が起業を目指さない大きな理由となっているといえるでしょう。こうした状況において、起業家の輩出に対応できるような教育制度の改革が求められています。起業に関する講座を開設したり、起業家養成コースなどの専門課程を大学院に開設する大学も出ています。文部科学省の調査によれば、起業家育成のための授業を新たに開設した大学は、国立30大学、公立12大学、私立97大学が数えられており、開設講座数は合計で330科目になっており、今後の教育成果に期待されています。このように実業教育を学ぶ場が増えている今の時代は、起業のチャンスとも言えるのではないでしょうか。

起業の準備

起業の前にまずはきちんと準備をしましょう。起業の目的や、なぜ起業しようと思ったのか、起業後のビジネスプランはどうするかなど、を具体的に考えておきましょう。理由もなくただなんとなく起業しようと思ったという方も中にはいるかもしれませんが、起業はゴールではなく、あくまでスタート地点です。その先に続く道を思い描いておかなければ、長く続けられるビジネスにはならないと思います。次に必要なのは十分な自己資金です。先述したように日本では形式上、資本金1円でも起業することはできますが、そもそも現在の通貨価値において1円の資本金の企業に存在意義があるのかどうかという問題があります。また金融機関などから融資を受ける場合でも、ある程度の自己資金は必要です。例えば1000万円必要ならばその半分の500万円は自分で用意てくださいというのが一般的な借入の考え方なのです。また、事業が波に乗るまでの間は収入が安定しないこともあります。そういった場合のことも考えて自己資金は余裕をもって用意しましょう。


事業計画書を作ろう

事業計画書は自分の会社の将来を描いた設計図のようなものです。作成しなくても会社を設立することはできますし、ノープランで始めた会社でも成功する人もいます。しかしそういった人はごくわずかで、行き当たりばったりの経営では経営環境が不透明で、かつ急速に変化する今の時代に取り残されてしまう可能性が高いのです。そこで大切なのが事業計画書です。これから始めるビジネスの仮説を検証したり、活動を修正したり、目標の数値と実際の数値を対比したりと、会社を経営していくうえで非常に重要な役割を持っています。また事業計画書は起業後のチェックリストにもなります。起業するだけでも大変ですが、会社設立後はもっと大変で、山ほどのやらなければならないことを抱えることになります。そうしたときに事業計画書、つまりやることリストがないと、何をすればいいのか、何が問題なのかが分からなくなってしまうのです。事業計画書があれば、やるべきことの優先順位も正しく判断できます。修学旅行のしおりを思い出してみてください。スケジュールが細かく書かれていて、旅行先での交通手段やお土産を買う人のリストなどもあったと思います。事業計画書はあのしおりと同じで、起業という旅の道標になるものなのです。これがあることで起業後にも効率よく物事を判断し、行動することができます。

理解者・協力者を得るために。

起業するにあたっては、多くの場面で沢山の人の協力や支援が必要になると思います。特に銀行や株主など資金面での協力者は必要不可欠です。その他にも共同経営者や仕入先、支援機関、家族の理解も必要になります。そういった人たちに、計画しているビジネスを理解してもらい、それが魅力的であることを知ってもらうためにも事業計画書は必要なのです。頭の中でどんなに素敵な計画を練っていても、それを口頭で説明することが出来たとしても、書類の形になっているものには敵いません。また、口で伝えられる程度の計画ではまだまだ浅いといえます。計画しているビジネスの現在の市場や将来性、競合優位性、収益性、安全性などを示そうと思うと、具体的な資料や分析、数値化したものが必要になります。相手に理解してもらうことを考えれば当然です。様々な人の理解・共感・協力を得てこそビジネスは成功します。それらを得るためにも事業計画書は必要不可欠なのです。

個人事業主と株式会社

起業した際の事業形態は、大きく分けて「個人事業主」と「株式会社」の2種類になります。個人事業主は法人を設立せず、起業家が個人で事業を行う形態のことを言います。株式会社は法人格を持つ企業形態で、株主から賃金を調達して経営者が事業を行い、利益を株主に配当するという形になっています。それぞれにメリット・デメリットがあるので自分に最適なスタイルを選びましょう。個人事業主の最大のメリットは事業開始の手続きや会計処理などが簡単な点にあると思います。税務署に書類を書いて提出するだけで開業できるので、とても手軽です。また、会計処理や決算などもある程度の知識があれば会計ソフトを使って自分で記帳したり決算書の作成も出来てしまうので簡単です。一方株式会社は、社会的に大きな信用が得られる点が最大のメリットと言えます。信用力が上がると融資や取引先獲得にも有利です。財務内容なども個人事業主と比べるとより正確なので、金融機関からの借入もしやすくなります。また、株を発行することで一般の人達からも資金調達できるという点も大きなメリットです。さらに株式会社ならば所得の分散が行いやすくなるため、配偶者控除・扶養控除などの制度が利用しやすくなり、節税対策に繋がります。ただ株式会社の場合は設立に多少の費用が掛かるので、その点はデメリットと言えます。また、手続きや書類作成に手間がかかるため、最初は個人事業主から始めて、後に株式会社化するという起業家も多いようです。

個人事業主の開業方法

個人事業主が開業するのに必要なものは「個人事業の開業・廃業等届出書」と、シャチハタ以外の印鑑、銀行口座開設、住民票、事業名です。まず国税庁のサイトから「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類をダウンロードします。書類を印刷して必要事項に記入したら、開業後1ヶ月以内に現住所の所轄の税務署に提出しましょう。また開業する場所の地方自治体で事業開業届出書を貰い、それにも必要事項を記入して提出します。次に2種類の届出書のコピーと印鑑、住民票を持って銀行に行き、口座を開設します。銀行によって口座開設の対応が違うので事前に調べておくといいでしょう。これで手続きは終了です。とても簡単です。

メインバンクの選び方

個人事業主要の口座を開設したいという人は比較的少ないようで、個人事業主用のプランが用意されている銀行はあまりありません。そもそも個人事業主の場合は個人の口座と事業用の口座を一つにまとめている人も多く、口座開設を必要としない人も多いかと思います。ですが何かと便利なので個人事業主でも事業用の口座を開設することをお勧めします。口座開設はどこの銀行でもいいというわけではありません。口座を開く際に既に取引先のメインバンクがわかっている場合は同じ銀行で作ることをお勧めします。入金などの手数料が割安になるからです。たかが手数料と言えども毎月のこととなると馬鹿にならないものです。また個人事業主にとって非常に便利なのがインターネットバンクです。インターネットバンクはネットショップなどが増えるにつれて個人のビジネス口座の需要が増えたため、個人事業主に非常に親切に出来ています。使い方も簡単で手数料もかなり安く済むので大変便利なのですが、ひとつだけ落とし穴があります。それは海外からの送金を受け付けていないという点です。海外との取引をしないと決めている場合にはネットバンクでも全く問題はありませんが、海外と取引する可能性がある場合は、ネットバンクをメインバンクにするのは避けた方がいいでしょう。


起業を成功させるポイント

経験談を聞く

起業を成功させるためには、少なくとも5人の起業家に会い話を聞いてきましょう。起業家に伝手がないという場合でも、最近では起業家による講演会やセミナー、ワークショップなども頻繁に開催されています。そういったイベントに積極的に参加し、起業家たちの生々しい経験談を聞いておきましょう。こういった経験談は自分自身が起業したときの大きなヒントになります。既に成功している人の話を聞くことでモチベーションも上がりますし、新しいアイデアも生まれるかもしれません。セミナーや講演会にもどうしても参加出来ないという場合には、起業家が出版している本を読みましょう。本からでも十分にその人の経験や起業のノウハウが判るはずです。

人に話す

自分のビジネスアイデアを人に聞いてもらうのも起業を成功に導くポイントの一つです。起業を決意した人の中には、あまり他人にビジネスアイデアを話したがらない人もいます。それは話すと自分のアイデアを盗まれてしまうのではないかと心配してのことだと思います。しかし今の時代、大抵のビジネスはどこかで誰かが行っているものです。問題はそのアイデアに新規性があるかどうかよりも、それも継続していく力があるかという点にあります。そのためにもアイデアを人に話すことは大事なことなのです。第三者の目から見て、あなたのアイデアに穴がないか、矛盾点はないかというところを探ってもらう必要があります。人に否定的なことを言われるのはあまりいい気分はしませんが、自分のビジネスを正しい方向に導くためには必ず必要な事なのです。ですから起業を思い立ったらまず一度、誰かに話を聞いてもらいましょう。